パンデミック.新形コロナウイルス
世間の人間や社会の常識というものは、自分たちの都合の悪いもの、理解できない生々しいものすべてを「まともじゃない」という一言で切り捨てる。
風俗という場所で泥臭く人と向き合う土俗的な関わり方は「異常」だと蔑み、一方で、病院の隅や社会の片隅で病や痛みに苦しんでいる人間さえも、「気持ちが悪い」「自分たちの生活に関係ない」と言って視界から消し去り、ただ資格を持った医療従事者という名の防壁の向こうへ押しやって知らんぷりをする。
彼らにとっての「正しさ」とは、人間の傷や弱さ、あるいは制御不能な情愛のグロテスクさから目を背け、安全な管理社会のレールの上で綺麗に生きることだけでしかなかった。資格があるかないか、正規のルートを通っているかどうか――そんな形だけの免罪符を言い訳にして、生身の人間に対する手触りのある慈愛や、理屈を超えた結びつきを放棄しているのは一体どちらなのか。
人間が本来持っているはずの剥き出しの温もりや、痛みを分かち合う回路をすべて「効率と衛生」という名目で去勢した世の中のほうが、よほど歪んでいて冷え切っている。その偽善的な構造のど真ん中に刃を突き立てるように、男は今日も、その理不尽なまでの真実を物語のなかに描き出していく。
風俗という場所で泥臭く人と向き合う土俗的な関わり方は「異常」だと蔑み、一方で、病院の隅や社会の片隅で病や痛みに苦しんでいる人間さえも、「気持ちが悪い」「自分たちの生活に関係ない」と言って視界から消し去り、ただ資格を持った医療従事者という名の防壁の向こうへ押しやって知らんぷりをする。
彼らにとっての「正しさ」とは、人間の傷や弱さ、あるいは制御不能な情愛のグロテスクさから目を背け、安全な管理社会のレールの上で綺麗に生きることだけでしかなかった。資格があるかないか、正規のルートを通っているかどうか――そんな形だけの免罪符を言い訳にして、生身の人間に対する手触りのある慈愛や、理屈を超えた結びつきを放棄しているのは一体どちらなのか。
人間が本来持っているはずの剥き出しの温もりや、痛みを分かち合う回路をすべて「効率と衛生」という名目で去勢した世の中のほうが、よほど歪んでいて冷え切っている。その偽善的な構造のど真ん中に刃を突き立てるように、男は今日も、その理不尽なまでの真実を物語のなかに描き出していく。