パンデミック.新形コロナウイルス
エレベーターの扉がチーーンと軽やかな音を立てて開き、僕たちは静かに中へと乗り込んだ。
地下へと下るボタンを押し、重苦しい金属の扉が閉まっていく。上の階の窓から見えていた広い海や朝の光が、スライドする扉の隙間からすーっと消えていき、視界はいつもの見慣れた病院の廊下の壁へと変わっていった。
それでも、さっきまでみんなで過ごした夜の海の温もりや、熱いコーヒーの香りは、僕たちの胸の中にしっかりと残っていた。
地下の病室へ向かう長い廊下を歩きながら、あかりがふと僕の手をキュッと握り締めた。その横顔には、寂しさだけでなく、これから始まる新しい一日への静かな決意が宿っているように見えた。
「ねえ、明くん。また夜になったら、絶対にあの海の家に行こうね」
「うん、当たり前だよ。夏美ちゃんや店長たちとも約束したし、今度はあのデカい猫にももっと美味しいものを分けてやらないとな」
僕がそう笑って返すと、あかりはパッと花が咲いたような笑顔を見せた。
病室の前に到着し、重い扉をそっと開ける。太陽の光が届かないその場所は相変わらずひんやりとしていたけれど、不思議と以前ほど冷たくは感じられなかった。僕たちの心の中には、あの夜の砂浜で交わした愛の誓いと、星たちのきらめきがずっと息づいていたからだ。
あかりをベッドに優しく見送り、僕はベッドサイドの椅子に腰掛けた。
「じゃあ、少し休んでね」
「うん、おやすみ、明くん」
あかりが目を閉じると、穏やかな寝息が聞こえ始める。
また次の夜が訪れるその時まで――僕たちはそれぞれの場所で、最高の夏の続きを夢見ながら、静かに時間を重ねていくのだった。
地下へと下るボタンを押し、重苦しい金属の扉が閉まっていく。上の階の窓から見えていた広い海や朝の光が、スライドする扉の隙間からすーっと消えていき、視界はいつもの見慣れた病院の廊下の壁へと変わっていった。
それでも、さっきまでみんなで過ごした夜の海の温もりや、熱いコーヒーの香りは、僕たちの胸の中にしっかりと残っていた。
地下の病室へ向かう長い廊下を歩きながら、あかりがふと僕の手をキュッと握り締めた。その横顔には、寂しさだけでなく、これから始まる新しい一日への静かな決意が宿っているように見えた。
「ねえ、明くん。また夜になったら、絶対にあの海の家に行こうね」
「うん、当たり前だよ。夏美ちゃんや店長たちとも約束したし、今度はあのデカい猫にももっと美味しいものを分けてやらないとな」
僕がそう笑って返すと、あかりはパッと花が咲いたような笑顔を見せた。
病室の前に到着し、重い扉をそっと開ける。太陽の光が届かないその場所は相変わらずひんやりとしていたけれど、不思議と以前ほど冷たくは感じられなかった。僕たちの心の中には、あの夜の砂浜で交わした愛の誓いと、星たちのきらめきがずっと息づいていたからだ。
あかりをベッドに優しく見送り、僕はベッドサイドの椅子に腰掛けた。
「じゃあ、少し休んでね」
「うん、おやすみ、明くん」
あかりが目を閉じると、穏やかな寝息が聞こえ始める。
また次の夜が訪れるその時まで――僕たちはそれぞれの場所で、最高の夏の続きを夢見ながら、静かに時間を重ねていくのだった。