もう誰かを愛せはしない
「お邪魔しまーす」



そういえば恋人同士になって翔介の部屋に来るの初めてだな。



アパートだと勝手に思い込んでたけど、実はマンションだったんだよね、ココ。



初めて来た時の景色と全く違って見える部屋。



「ショウスケの部屋、こんなに広かったんだね」

「まぁね。一人暮らしなのにこの部屋3LDKあるからね」

「3…!?何で3つも部屋あるのよ。必要なくない?」



3LDKって、家族が住める広さだよね!?



礼羽と同棲してた時のアパートを思うと、この部屋は一軒家の一室にさえ思える。




「リビングだけあればよくない?ショウスケ、バイトもしてないのに家賃払えてんの?」


「ここのマンション探したの親だから、家賃は親持ち」



親持ちって…

翔介って実はお坊ちゃま!?



…でも確かに、あの乗り心地の悪いスポーツカー

左ハンドルだったから外車ってことだよね。




「…ショウスケってお金持ちだったの?」

「金持ち…なのかな?まぁ実家が病院だけど」



病院って…


かなりのお金持ちじゃん!



バカだし品がない翔介からは、全く想像出来ないよ。


まぁでも、甘ったれなワケは分かったような…




「病院って、どこにあるの?」

「俺らの大学の近くの総合病院。あれが親父の病院」



大学の近くって…


もしかしてあのバカでかい病院のこと!?



何か翔介を見る目が変わりそう…




「そんなに近くに実家があるのに何で一人暮らししてるの?」

「…親から離れたくなる歳だからかな。大学生になったら一人暮らししたくならない?」



そういえば礼羽も大学は実家から通える距離なのに、一人暮らししたんだもんね。


そんなものか。




「メイサが一緒に住んでくれたら2人暮らしになるけどね」


「私はもう同棲はしません」


「何で!?俺はメイサと住みたいよ。部屋も余ってるし、考えてみてもくれないの?」
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