裏はないちもんめ〜禁じられた少女たちの遊び〜
「そ……んなっ」


 崖の際でたった1本掴んだロープが、目の前で切り離されたように感じた。


 そのくらい、絶望だった。


 オババの他に、あたしはカミサマを知っていそうな人を知らない。


「お願い、オババ。何でもいいから教えて……っ」


 美依も、艶やかな髪の毛を床に擦り付けてすがる。


 そのとき、オババが腰を上げた。


「あんたたち早とちりだねぇ。あたしは『千帆ちゃんが奪われた原因はわからない』って言ったんじゃ。


 ついておいで。あんたたちが知らないカミサマのはじまりを教えてあげる」
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