新社長と二度目の恋 ~御曹司は私も子どもも離さない~
『大嫌い』で『大好き』


【深琴】


―――大手『TAKADAホールディングス』は、飲食店やホテルの経営を始めとして、家具用品のデザイン業務提携まで様々な仕事に携わっている会社だ。


4月。


「ねぇ、深琴。聞いた?」

私がデスクに着くなり、高校時代からの親友―――橘愛花(たちばなあいか)が話しかけて来た。

「なにを?」

「今日から『新社長』が来るって!」

「そうえば、今日だったわね。新社長就任式」

「私たちと同い年でかなりのイケメンらしいよ」

「…そう」

「もう、深琴ったら。興味無さ過ぎ!ねぇ、あんたって…もう『恋愛』をする気ないの?」

愛花の言葉に一瞬動きが止まる。

「な、なんで?」

「だって、『あれから』今年で5年経つんでしょ?」

「うん…」

『あの頃』の事を思い出すと、今でも心がザワつく。

「私は大学が違ったから、逢った事がないけど”夏輝の父親”」

「そうだったね…」

「まぁ、夏輝のこともあるから…一概(いちがい)には言えないけど、そろそろ『自分自身の幸せ』も考えてあげたら?」

「うん…」

私はそう返事をする事しかできなかった。


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