【完結】私に甘い眼鏡くん

彼と過ごす時間は一瞬で過ぎ去っていった。


毎日一緒に受験勉強をした。

私は指定校推薦で学校を決めてからも、彼の塾がない日は放課後教室に残って勉強。

なっちゃんと太一と一緒にやるときは、騒がしくてなかなかに大変だったけれど。


私も彼も都内の学校への進学を希望していた。


お互いに進路の相談をしながら一緒に帰る日々。
甘さはなかったけれど、彼の隣にいるのが私ならなんだっていい。

夕くんと太一は本当に仲良くなった。
というか分かり合えたらしい。

二人のギスギスはいつの間にかなくなって、昔からの仲良しみたいだった。


夏休みはまた四人で夏祭りに行った。
今度はみんな一緒にあの場所で花火を見る。

大盛り上がりの二人だったけれど、私は去年のことを思い出して勝手に恥ずかしい気持ちになった。


たくさんの思い出を作ったけれど、私は物足りなくて。
ずっと四人で楽しい思い出を作りたかった。


それでも、高校の三年間は終わりを告げる。

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