Magic Love Sea〜俺がお前のこと、攫ってやるよ〜
「おい、嬢ちゃん。こんな邪魔なところに座ってんじゃねえよ!!」

「えっ?」

急に訳の分からないことを言われ、ミラは戸惑った表情を見せる。すると、男たちはミラに「慰謝料寄越せよ」と掴みかかろうとした。ディートフリートは素早く立ち上がる。

「自分からぶつかっておいて何を偉そうに言っているんだ?しかもこんな女性に金をせびるとは……。お前たちよほど貧乏なんだな」

ディートフリートが嘲笑うようにそう言うと、「うるせえ!!」と男たちは怒りで顔を赤くする。そして腰にある剣を抜いた。

「きゃあぁぁぁぁ!!」

ミラやカフェにいたお客が悲鳴を上げる。ディートフリートは「ミラ、こっちへ」と言いながら彼女を抱き寄せ、背後に隠した。

「絶対に俺から離れるなよ」

ミラにそう言い、ディートフリートも剣を抜く。男の一人が「オラァァァァァァァ!!」と言いながらディートフリートを斬りつけようとした。

「ディート!」

真っ青になるミラに対し、ディートフリートは余裕の笑みを浮かべる。そしてパチンと指を鳴らした。
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