砂漠での甘い恋~女医は王子様に溺愛される~
「おお、チナ。」

国王は機嫌がよかったのか、私をあっさりと受け入れてくれた。

「これから、仕事なのか?」

「はい。」

「いつも病気の患者を治してくれて、心から感謝している。」

私は微笑んだけれど、下を向いた。

「治る病気の人は、ここではまだ幸せな方です。日本では治るかもしれない病気でも、この国ではただ死を待つばかりの人もいます。」

「そうか。我が国の医療は、そんなに遅れているのか。」

また、一般庶民が口を出してと言われるかな。

「ところでチナ。」

「はい。」

「もし、アムジャドと結婚をしたら、故郷はどうする気だ?」

結婚したら?

なぜかドキドキしてきた。

「アムジャドと一緒に、この国で暮らします。医者という仕事もありますし。」

「そうか。そうか。」

国王は、気弱になっているんじゃないか。

何となく、そう思った。

「子供は欲しいか?」
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