砂漠での甘い恋~女医は王子様に溺愛される~
生きたい
アムジャドと仲直りした翌日、私は足取り軽く、診療所に入った。

「おはようございます!」

テンションの高い私に、土井先生も津田先生も、驚いていた。

「なんだ?皇太子と何かいい事でもあったのか?」

「はい!」

私は元気よく答えた。

「なんだか、吹っ切れた感じだな。」

「そうですね。」

アムジャドとの事で悩むなんて、私らしくない。

アムジャドについていくって決めたんだもの。


ふと津田先生を見ると、がっかりしていた。

「津田先生……」

「気にしないで、千奈ちゃん。慣れているから。」

失恋に慣れてるなんて、津田先生も可哀相だな。

「すみません。」

「謝る事じゃないよ。」

津田先生は、私の肩をポンと叩いた。

「千奈ちゃんが幸せであれば、それでいいんだ。」

「はい。」

改めて思うけれど、津田先生っていい人だな。

私はしみじみ思った。
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