次の演奏は花山南高校吹奏楽部ですっ!〜部活大好き彼氏が甘すぎる〜
「ううん、私も、勝手に逃げてごめんなさい」

柊の隣の華ちゃんに頭を下げる。

「…突き飛ばして、ごめんなさい」
「もう…心配させないでよバカ」
「何で華ちゃんが泣いてるの〜」

華ちゃんは舞奈たちから私の過去を聞いたらしく、思わず泣いてしまったらしい。
華ちゃんもそんな過去があったから、自分と重ねてしまったんだろう。

「…渚、戻ろう」
「うん」

柊と華ちゃんに手を取られ、私は音楽室に戻った。

戻った途端、志乃先輩と佐々木先輩から力強いハグをくらい息が止まりそうになる。

それと同じくらい、自分の居場所を感じた。

あぁ、私ここにいて良いんだ。

認めてもらえてるような気がして嬉しかった。

「ほら、渚ちゃん!コンクールまであと少しなんだから!頑張るよ!」
「はい!!」
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