《続々》俺様幼馴染の溺愛包囲網(出産♡子育て編)
げっ!あれは俺のスマホ!

慌てて取り上げる。

「だっ!あー!」

「鉄平、これはダメだ。お前のおもちゃはこっちだ。」

スマホ型の歯固めを渡す。
不満そうだな。
でもこれはダメだ。

ポイ、と投げてまた這い回りだした。

「そうだね……。
鉄平はすごく健康で発育もいいし…。
可愛いし。亮平にそっくりだし。
いっぱい心配かけちゃったけど、無事に産むことができて良かったよ…。」

結衣子?
どうしたんだ?
歯切れが悪い。まだ何かあるのか?

「どうした?
まだ何か気にしてるのか?」

「…………ん……。
そうだね…。気にしているというか。
これからのこと。ちょっと考えちゃった…。」

「これからって…?」

「……あのね、亮平は子供、何人欲しい?」


子供の数か……

本当のところ、1番話題にしたくない問題だ。

今、結衣子が引っかかってることは、俺の心にずっと巣食っていた不安に直結している。

それこそ、あの入院から、深い刺となって心の奥に刺さっている。

はぁ……これは避けては通れないだろう。

「この家は広いから、できればたくさん欲しいと思ってた。お前にそっくりな子とか、見てみたいし。
……………でも、今はちょっと考えてる。」

結衣子は、気付いているはずだ。
俺が、子供をさらに持つことに、積極的じゃない事を。

「……そうかなって思ってた……。」

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