あやかしの集う夢の中で
(桜介の体がむちゃくちゃ冷たい。

まるで氷みたい……。

でも、どうにかして温めなくちゃ……)



愛理が桜介を強く抱きしめると、桜介の体の冷たさが愛理の体温を奪っていく。



このままじゃ、自分までもが危ういと思える状況の中で、愛理は必死に桜介を助ける方法を考えていた。



(今の私にできること。

私は雷系の技の使い手だ。

微量の電撃を使えば、桜介の体を温めることができるかも)



愛理は思い浮かんだその考えをすぐに実行に移すために、意識を集中し始めた。



そして愛理は両手から放つ電撃で桜介の体を温め始めた。



(私が桜介を死なせない。

桜介は私の大切な友達だから。

私は桜介が本当に好きだから)
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