あやかしの集う夢の中で
絶望的な戦いの中で
「ウソだろ……。

これがあやかし王の本当の姿かよ……。

規格外過ぎるだろ。

こんなのにどうすれば勝てるんだよ……」



桜介がつぶやいたその言葉には絶望の響きが混じっていた。



あんな子供みたいな姿のあやかし王でも強かったのに、見上げるような十メートル級の夢妖怪に変身したあやかし王に勝てる方法が見当たらない。



どんなに必死に考えを巡らしても、その考えは絶望の壁にぶち当たって最後には霧散した。



紫色の筋骨隆々のあやかし王を見ていると、理屈ではなく本能的に勝てない相手だと気づいてしまう。



桜介は炎の中から自分を見下ろしているあやかし王と目が合うと、ゾッとして体が震えた。



自分の渾身の技、スーパー大炎上をまともにくらっても倒れない敵を相手に自分にできることがあるのだろうかと思いながら。
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