あやかしの集う夢の中で
まるで津波のように押し寄せてくる夢妖怪を相手に桜介は炎の技を繰り広げた。



その度にこの光を失って薄暗い世界を真っ赤な炎が明るく照らした。



桜介は自分が無敵になったような気持ちで次から次へと迫り来る敵を焼き尽くした。



(自分が強いって、こんなに最高の気分なのかよ!

自分が世界の中心にいるって、こんな気持ち なのかよ!

どんなに恐ろしい敵が襲ってきても、負ける気が少しもしねぇ。

オレはこの世界で最強だ!)



時宗と桜介は次から次へと敵を倒し、みるみるうちに敵の数が減っていった。



そしてそれに続くように、愛理とカノンも属性を生かした力を発揮し出した。



「私も戦う!

電撃よ、降り注げ。

電撃シャワー!」



愛理が右手を天高く掲げて、その右手を振り下ろすと、槍のような無数の電撃が降り注いで、それが敵に突き刺さった。



「カノンも頑張りますよ。

これで敵もメロメロです。

癒しのメロディ!」



カノンがそう言ってウィンクすると、殺伐とした空間の中に癒しのメロディが流れ始めた。



そしてカノンが奏でる癒しのメロディを聞いた敵は幸せそうな顔で溶けるように消えていった。
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