青は奇跡
「藤野、職員室に来なさい」
「……はい」
先生のあとについて職員室に入ると、先生のデスクまで連れて行かれた。
あんなに周りの人を巻き込んだことを咎めるのだろうか。
それとも、真実を教えてくれるのだろうか。
先生は近くにあったパイプ椅子を持ってきて、座るように目で合図した。
「藤野」
「はい」
「他の人に言わないことを、今ここで約束してくれ」
「……分かりました」
「……あまり詳しいことは言えないが、夏川は藤野のことをとても頼りにしている。
もし夏川が苦しそうにしていることがあったら、藤野には出来る限りで助けてやってほしい。
夏川は、自分のことを理解してくれる人に出会えなくて、苦しんでいた。
……でも、藤野は違ったらしい」
「……わたしが」
「先生にも夏川の思いはよく分からないが、夏川は藤野と出会ってから表情が明るくなったように思う。
去年はお互いにほとんど接点がなかったようだから気付かないのも当たり前だが、先生は去年も夏川の担任をしていたから変化に気付いた。
……どうか、夏川を苦しみから救ってくれないか」