青は奇跡






「千鶴って余裕そうで全然余裕じゃないよな」


「え?」


「自分では動揺を隠せているって思っているんだろうけど、傍から見たら全然隠せていない」


「そ、それはないんじゃないかな」





思わず持っていた箸を床に落としてしまう。


いくらなんでも動揺しすぎじゃないか、わたし。





「ほら」





散々からかってくるのに、わたしが落とした箸をちゃんと拾って、手に握らせてくれる。


突然の優しさに、不覚にもどきどきしてしまう。





「……今日の燦は、なんだか意地悪だね」





顔から全く赤色が消える気配がないので、諦めて机に突っ伏する。




もちろん食事をするどころじゃない。


いろいろな意味で食欲がなくなった。




お母さん、ごめん。


今日はお弁当残しちゃうかもしれない。





「もう食わねえの?」


「……うん」





まだ何か煽るようなことを言ってくるのだろうと半ばやけくそな気持ちでいたけれど、いつまでたっても静かなままだった。




何が起きたんだろう。




ゆっくりと顔を上げると、息が止まりそうになった。





「……っ!」






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