青は奇跡
ゆっくりとドアを閉めると、燦は口を開いた。
「……久しぶり、だな」
「具合は大丈夫なの」
「ん」
わたしの問いかけも曖昧にかわすと、隅の方にあった机と椅子を持ってきた。
2セット目を持ってこようとしたところで燦のやりたいことが分かった。
「いいよ、運ぶ」
「ありがと」
向き合って食べ始めると、燦がわたしの顔をじっと見ていることに気付いた。
「どうしたの?」
「学校ではこうやって食べること、あまりないなって」
「そうだね。
でももし教室で食べていたら……」
「ん?」
「な、なんでもない」
慌てて卵焼きを口に放り込んでから、急激に赤くなる顔を隠そうと水筒のお茶を飲んだ。
ちらっと燦の方を見ると、意地悪な笑みを浮かべている。
……絶対、わたしの言おうとしたこともこの必死すぎる行動の意図もお見通しなのだろう。