青は奇跡






燦は、隠すのがあまりに上手だ。




もしかしたら、わたしは本当に鈍感で、燦の気持ちに気付くことが出来ていないのかもしれない。




アヤちゃんやミホちゃんは、燦がわたしに望んでいること、求めるもの、思いについて、わたし以上に理解しているのかもしれない。




だけど、わたしにとっての燦は、『隠し事の上手い燦』なのだ。




偶然知ってしまった燦の『秘密』は、わたしを『勘の良い彼女』に仕立て上げてしまった。




今だってそうだ。


あの優しい笑顔と、病気のことを隠す時の笑顔が同じ種類のものであると、気付いてしまった。


それはまるで、冬のあの弱々しい太陽のような笑い方なのだ。




どうして隠し事をするのに、優しく笑うのか。




聞きたいのに、聞くことができない。





「千鶴、泣いてる?」


「泣いてなんか……」


「じゃあこの制服の染みは?」





そこまで言われて、わたしは自分が泣いていることに初めて気付いた。






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