青は奇跡





その後も、いろいろなお店をまわった。




射的屋でキャラメルを当て、ランプに照らされたほおづきを眺めたり、ラムネ瓶の中のビー玉を取り出したり、チョコバナナ(おまけも抜かりなく頼んでいた)を買ったりしていた。




そして今はソースせんべいのボタンを夏川くんが押し、大量に当てた。





「すっげえなあ、兄ちゃん。

彼女にたくさんあげられるな!」





はっ?!




屋台のおじさん、何を……。




恐る恐る上を見ると、ほんのりと頬が色付いた綺麗な顔がある。




途端に夏川くんは商品を受け取ったら黙って歩き出してしまった。




途中で立ち止まり、わたしのところまで引き返す。




……もしかして、動揺しているの?




だけどそれが当たり前だと思う。



ただ地味で暗い、勉強しか取り柄のないわたしが彼女だなんて、不名誉もいいところだ。



お祭りにこうしていられるだけでわたしにとっては奇跡に等しいのだ。




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