青は奇跡
「じゃあ次は新学期か。って言っても明後日からだし」
「そうだね」
「あ、やばい!宿題全然終わってない!」
「ミホ遊びまわってたからね」
「うるさいなあ!アヤだって終わってないんじゃないの?」
「あたしは終わってますー」
「あははっ」
「藤野さん面白がってるし……」
「ごめん、面白がっては……」
「ま、でも今日はあたし達に付き合ってくれてありがとう。
いい話もたくさん聞けたし」
「心の栄養だよ、本当。
あ、誰にも言わないから安心してね!」
「ありがとう」
「じゃあまた明後日ね!」
「本当、ありがとう。
わたしも楽しかった。じゃあね」
駅から歩くと家までは少し距離があるけれど、心地よい疲労感でそれほど憂鬱に感じなかった。
燦のことはこの時、あまり深く考えていなかった。