不細工芸人と言われても
俺たちの未来はまだまだきっと可能性がある
3年後

俺は、なぜか今度は、嶋村仁のコレクションのランウェイを歩いている。
観客は、今どきのおしゃれな男女ばかり。
場違いじゃないのか?と今にも足がすくみそうだ。

MCはもちろんカドスケ。
「おまえ、何やってんねや!」

「え、俺は今日はモデルやで?」
会場は大爆笑に包まれる。

「なんや調子づいてやなあ。許可おりてんか! ちょっと仁さん、仁さん、変な奴がおってますよ。
今までやってきたコレクションでもこんなことなかったのに。一大事や!」

今の時代、コレクションなのに漫才が始まるって、嶋村仁の懐の大きさには驚くばかりだ。
まあ、相方がいればいつも通り。 どんな年代だろうが、どっかんどかんと笑わせる自信はある。
いつもと違うのは、衣装。 いつもスーツで漫才をするスタイルだが、今日はカドスケも俺もラフな格好をしている。

なにをかくそう高岡創士と妻のカホが一緒にプロデュースしたブランドが発売される事になったからだ。

もちろん企画立案は、嶋村仁。
恐ろしいぞ、あの男は。 金儲け、いや言い方が悪いな。ヒットメーカーの達人である。
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