不細工芸人と言われても
本当なら、女子ウケするピンチョスやカナッペなど、映えそうなパーティー料理を出したいところだが、なんせ人数もいるし、食べ盛りの男も含め、その人数となると限られた道具で作らなけれならない。
しかし、売れなかった時も少し売れ始めた時も、料理人の腕を活かして仲間や後輩たちとご飯を作ってみんなで食べていたこともあるから、なんとかいけるだろう。

大鍋にボルシチ
オーブンで作る豚塊肉の甘辛チャーシュー
スペイン風オムレツ
棒棒鶏
茄子とひき肉のミートソースグラタン
リンゴとクルミとクリームチーズのグリーンサラダ
エビマヨ炒め
野菜のハーブグリル焼き
イカとセロリのマリネ
ジャーマンポテト
土鍋で炊く牡蠣の炊き込みご飯

鍋やフライパンごと出し、あとは勝手に好きなものを取り分けてもらう方式で、他にもデザートやバゲット、チーズや質の良い酒やワインの差し入れもあって、なかなか豪勢なパーティーメニューになった。

これには、嶋村仁も驚きで
「どれもめちゃくちゃ美味しいです。 高岡さんって器用でマルチな人なんだなあ。」
スタッフのみんなも頷き、口々に美味しいと言ってくれる。
俺は、あんまり褒められると恥ずかしくて小さくなってしまう。 
カホだけが、「でしょ?美味しいでしょ?すごいでしょ?」とどや顔で自慢げである。
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