二度目の初恋
「そう言えばなんで笛吹くんがこんなところにいるの?」


家まであと数十メートルという場所に差し掛かり、私は疑問に思っていたことを口にした。

返答によってはそれなりの対応をしなければと思っていた。


「なんでって、伽耶に会いに来たんだよ」

「どうやって住所調べたの?私、言ってなかったよね?」

「あぁ。彼に聞いた」


彼と言えば彼しかいない。


「泰翔...」

「そうそう、風峰泰翔くん。彼イケメンだよね~。ま、俺には敵わないけど」


それはどうだか...。

呆れて鼻で笑うと、笛吹くんは怒ったのか私の腕を力強く掴んできた。


「何?」

「伽耶が好きなのは泰翔くんじゃないよね?」

「うん、そうだけど。それに...」

「それに?」


喉元まで出かかっているのに、なかなか言葉に出来ない。

ためらう気持ちも分かる。

だけど、私にはもう結末は見えている。

本当に私がやるべきことはこれしかない。

私は今度こそ......ピリオドを打つ。


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