しるばーまじっく!
花音といつもの日々

1、花音:いつもの日々

お姉ちゃん。元気ですか?花音は元気です。相変わらずお兄ちゃん達はうるさいし、冬花|《ふゆか》は妹のくせに生意気です。でも、今日からは冬花と違う学校に行けます!天国です!!お姉ちゃんは遠くの学校でもちゃんとやってけてすごいなって思いました。あ、あと、庭の桜が今年はすごく綺麗です。

……はぁ…。
ここまで書いて、ため息が出た。
「これじゃ小学生の作文じゃん!!」
思わず叫んじゃった。
もーなんで手紙って敬語じゃなきゃいけないの!?
「花音うるさい。」
うわっきたよ嫌味冬花。
「ほんっと、同じ12歳とは思えない。」
あ、冬花のやつ鼻で笑った!!
く、くそぉ、、。
「お姉ちゃんに向かって失礼でしょ!」
「ほんのちょっと出てくるのが花音より遅かっただけでしょ。」
く、くそぉ、、、、、。
こんなやつと双子なんて信じらんないよ!
しかも!
双子なのに!
冬花は人間の"可愛い"部分を全部持ってるの!!!
白くて雪みたいな肌に、長いピカピカした黒髪。
髪が短かったら、生きてる白雪姫みたい!
顔だけかと思ったら体も綺麗で、余計な肉はつけない、ってくらい細い。
それに比べて私は…。
太ってはないけど…。
やだ、なんか悲しくなってきた。
あ!
で、でも、身長は私と同じ155センチだからね!…冬花156センチ説もあるけど。
「ばかのん、手紙にしわつく。」
あっっ、、。
お姉ちゃんへの手紙を、悲しみのあまり握り潰してた、、、。
「ばかのんって、いうなし…。」
「お姉ちゃん、元気かな」
無視ですか!!!
「お姉ちゃんは遠くの学校で、一人寂しく寮生活してるんだよ。元気だといいな。」
「ほんとに、花音は、…そう思うの?」
冬花が静かに言った。
「…え?」
「……なんでもない。こっちの話。」
なにそれなにそれ!気になるぅ!
「冬花もそこ通うんでしょ??なんて学校だっけ?」
同じ学校の話して、聞き出してやる!
頭の良い冬花ちゃんは、お受験して合格したんだよね。
え?わたし?私の話は、今してないし???ね???
「ばかのんには教えてあげない。やっとばかのんと違う部屋になれるし。」
あん??
ばかのんばかのんうるさいわね!!
「私だってアンタの顔見なくて済むなら嬉しいし!」
「「ふん!」」



…それが、冬花とまともに話した最後だった。
あのあとすぐに学校から迎えがきて、さっさと冬花は言っちゃった。
学校から迎えが来るって、冬花ばっかり贅沢な!!しかもリムジンだったし!!

「また、寂しくなるわね…」
冬花を見送ったのは、私とお母さんとお父さん、それに兄1の春樹だった。
「花音は、寂しくないのか?」
お父さんが聞いてきた。
なに言ってんの。
「ぜ〜んぜん♡」
特大スマイルで返してやった。
「ふゆかぁぁぁぁぁぁ」
大泣きしてるのはシスコンの兄1。
兄1は多分イケメンの部類に入るのに、今は顔が台無しだよ…。
「父さんも寂しくなってきたぞぉぉぉぉぉぉ」
ちょ、お父さんまで泣き出した!
「ふゆかぁぁぁぁぁぁ、僕にはなんにも言わないで行っちゃって…!!」
あ、それ多分私と喧嘩してたせいです。
「と、父さんには、バイバイって言ってくれたからな!」
あ、ハイ、おめでとうございます。
「もう、二人とも、梓のときと一緒じゃない」
お母さんが面白そうに言った。
え?そうだったの?
「お姉ちゃんって冬花ほど冷たかったっけ??」
「うーん、梓は、もうちょっと、優しかったかしら」
よかった!
お姉ちゃんと最後に話したのは私が3歳の頃だから、あんまり覚えてない。
でも、優しかった気がする。
そのイメージは崩したくないもんね。
「ところでお母さん、兄2は?」
「颯|《はやて》は、今日大事な試合らしくて。」
ジュニアサッカーのエースのお兄ちゃん。
中学校にファンクラブもあるらしい。
「じゃあ冬花の見送りなんかより、兄2の試合行けばよかったじゃん。」
あっやばいいすぎたかも。
お母さんの顔がみるみる鬼になっていく。
「かーのーんー???」
「ひいいいごめんなさいいいいいーーー!!」



これが、いつも賑やかな西園家。
私も西園家の一員。
だけど、時々モヤモヤする。
美形が多い西園家で、私だけ平凡な顔。
兄1も兄2も冬花も、歩けば誰もが振り向くほど美形。
これは、西園家のお父さんの血を受け継いだんだと思う。
お母さんは西園家の血は入ってないけど、それでも美人の部類に入る。
私だけ。
私だけ普通。
多分、梓お姉ちゃんだって美形だよ。覚えてないけど。
私は、本当に、西園家のーーーーううん、これ以上は考えないようにしよう。

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