にびいろのなかのひかり 鈍色の中の光
「久しぶり…」
控室に美月の姿があった
「美月、元気だった?」
「うん
お兄ちゃんは?」
「元気だったよ」
何年ぶりだろう…
5年ぶりかな…
久しぶりに会う美月は
大人の女性になってた
高校生の美月を見たのが最後だった
「美月、就職決まったんだってね
おめでと」
「うん
…
彼氏もできたよ
お兄ちゃんが家から出てすぐ
…
だから
お兄ちゃんのアパートにも行かなかった
結局一度も行ってないね」
美月は笑った
それなら、よかった
「今度、行ってもいい?」
「もぉそこには住んでない
一緒に住んでる人がいる」
「え…結婚?…したの?」
「まだ、ぜんぜん、そんなんじゃないけど…」
「そっか…どんな人?」
「ん?
…姉ちゃんみたいに優しくて
美月みたいにかわいい人」
「今度、会ってみたい」
「うん、今度ね…」