君との想い出が風に乗って消えても(長編・旧)



「おはよう、今日も元気に咲いていてくれてありがとう」


 ベッドから起き上がり、いつも大切にしている植物たちに挨拶をするのが僕の日課。


 植物たちに挨拶をした後、僕は窓の方へ向かった。


 そして閉められているカーテンを開けた。


 一瞬、目を閉じてしまうくらいのまぶしい日差し。


 今日は雲一つない快晴。


 晴れの日にその日差しを浴びるのも僕の日課。


「気持ちいいな」


 窓を開けると暖かな風がやさしく吹き込んでくる。


「もう5月……。早いな……」


 5月の中旬になり、外の空気が春の中に少しだけ初夏も感じるようになってきた。


 もうすぐ訪れる初夏の風を感じながら僕は学校に行く支度を始めた。





 支度を済ませた僕は、ダイニングルームに行った。


「おはよう」


 いつものようにいつもの家族の笑顔。


「おはよう」


 僕も母さんと父さんと妹に挨拶をする。


 そしていつものように家族全員で朝ごはんを食べる。


 朝ごはんを食べ終え、「いってきます」と言って家を出た。


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