君との想い出が風に乗って消えても(長編・旧)



 僕は、できれば二学期も三学期も花係をやりたいと思っている。





『今日も花たちはきれいだ。少しでも長くきれいに咲いていてね』


 僕は、そう思いながら花瓶の水を替えた。


 そしてきれいな水に替えた花瓶を教室に運ぶ。


 花瓶を置いて僕は自分の席に着いた。


 そして、少ししたら担任の先生が教室に入ってきた。





 担任の先生が教室に入ってきたときにクラスの中がざわついた。


 僕も声には出さなかったけど心の中ではみんなと同じだった。


 なぜなら……。


 担任の先生以外にもう一人入ってきたから……。


「みんな静かに」


 クラスの中がざわつくのを静かにさせようとする担任の先生。


 その隣には……。


「今日からこのクラスでみんなと一緒に勉強をする花咲加恋さんだ。花咲、みんなに挨拶を」


「花咲加恋です。よろしくお願いします」


 その子が挨拶をしたら、またクラスの中がざわついた。


 ざわついたのは特に男子たち。


 その気持ち……わかる……。


 花咲加恋さん……。


 見た目は、かわいらしい感じ。


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