呑みますか、呑みませんか。


 .
*


「水飲む?」

「……ありがとう。チヒロくん」


 ――――まだ、夢みてるみたい。


 朝、起きたら

 となりにあのタマキさんがいて。

 わたしにグラス一杯のお水差し出してくれて。


「二日酔いには?」

「多少なってるの、かな。まだお酒が残ってる感じするから」


 えーと。

 わたしの履いてたの……どこだ?

 チヒロくんに借りたボクサーパンツ。


「頭痛いとか」

「んーん。そういうのは、全然」

「最強かよ」


 しかし目覚めた直後もカッコいいな、このひと。


 寝グセすらときめき要素。


「どうした」


 どうしたも、こうしたも。

 イケメンというのは目の保養だなと。


 わたしは昨夜。

 このひとに――……


「朝ごはん。なにか作ろうか」

「ううん」

「ハラ減ってないの?」

「もうちょっとチヒロくんとお布団にいたい」


 いっぱい、可愛がられた。
< 25 / 28 >

この作品をシェア

pagetop