住みますか、住みませんか。

「なるほど。建前じゃなくて本気らしい」

「え?」

「君がとても気を使ういい子だ、ということは。よくわかった」


 なんの話をされているか見当がつかないでいると、クスリと笑われてしまう。


「僕より先に。酒を飲まなかった」

「それは。……羽鳥さんが、先輩だから」

「一度も僕の前で携帯を取り出さない。会社を出てからずっと」

「失礼じゃないですか。急用ならともかく」

「珍しいよ。君みたいな子は」

「……また"田舎の子"って言います?」

「はは。ちがうちかう。ひょっとして、気にしてた?」

「少し」


 先輩の妹さんに似てるというのは、なんだか悪い気はしないというか。

 お兄ちゃんできたみたいでわたしとしても嬉しいですけどね。

 さて、考えようじゃないか。

 女の子が喜ぶプレゼントについて。


「ちなみに。その贈り物の、ご予算っていうのは」

「んー。特には」

「ないんですか!?」

「あのさ、オギノさん」

「はい」

「僕。別の話がしたくなってきたんだけど、いいかな」


 …………ベツノハナシ?


「いつも隅っこで電卓とパソコンのキーボード叩いてる君が。なんか気になっちゃってね」

「妹さんに似ているから……ですか?」

「どうだろう」


 そこ、曖昧なんですか。

 羽鳥さんって不思議な人だな?
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