永遠、というものがあれば
ハンドルを握って前を向くカズくんの顔が優しくて、

私は何気なく聞いたんだ。


「ねぇカズくん、私もしかして二年前ケガしたとき、何か忘れちゃったこととか…ない?」


瞬間カズくんはびっくりしたような表情になったけど、すぐにいつもの調子で答えた。



「さぁ…、ないんじゃないの?お前じゃないからわからないけど、俺が知ってる限りお前は変わらないよ」

「…そう、かな?」


「なんか気になることでもあった?」


私は流れていく夜景を眺めながらさっきのことを思い出していた。
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