【完】溺愛男子の愛し方

「突き放して」 美音 side


美音 side


数日後


私は、ずっと祐を避けていた


祐に話しかけられても、すぐにその場を立ち去る


理由は、単純なこと


ただ祐と顔を合わせられないだけ


祐は何か話したいことがあるみたいで、私を見つけては話しかけてくる


私は、それを全て避けている


祐の話なんて、何も聞きたくない


祐と話すことなんて、何もない


そう思ってるし、祐にどんな顔をすればいいのかわからない


いつもは祐や隼人と学校に行くのに、最近は先に出て1人で学校に向かう


家が一緒だから、余計に気まずすぎて、家にいる時間が前より減った


どこかでいい時間になるまで過ごして、家に帰る


家に帰っても祐とは目も合わせず、ご飯や寝る準備を終えてはすぐに自分の部屋にこもる


そんな生活をしていた


“祐と私は、兄妹”


この言葉を何回も頭の中に浮かべて、自分に言い聞かせる


必死に祐を忘れようと、兄妹でいようとしてる


「いってきます」


今日も朝早くに家を出て、学校に向かう


いつも乗っている時間の電車よりも人は少なかった


いつもは人が多くて、椅子が空いてたら私に座らせてくれて、三人で話してる


電車を降りて、学校に向かう道でさえ、どこかさみしい気持ちにされる


こんな気持ち、心の奥に閉じ込めておかないと
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