愛され妹っ。
「あ、一瀬さん!…あれ、え?彼氏さん??年上??」
と、呟き独り言をいう、クラスメイトの森くんだった。
「今、一瀬さんの噂でもちきりなんだけど、本当に梅田先輩が彼氏なの??」
「え?あれは、誤解!ただの友達で先輩なだけ!」
「じゃあ、みんな一瀬さんが好きすぎて、勝手に自分は彼氏って言ってるってこと?すごく迷惑だね。
で、隣にいるのは本当の彼氏さん??」
えっ、、と……
「彼氏だったら、どうすんの?」
恵都兄が、言った。
え、えええええ?
「うーん、でも僕は諦めきれないです、一瀬さんのファンクラブの会員なので!」
「あ?ファンクラブ?そんなのあんの?それ作って、なにしてんの」
「一瀬さんについての情報を集めて、みんなで共有してます!」
「なんだそれ、怖、コイツに許可取ってんの?」
「いやそれは取ってないですよ、非公式ですから!」
「ふーん、それ廃止してくれない?俺の可愛い彼女だから共有とかされたくないし、迷惑だろ本人からしても」
「えっ??彼氏さん、なんですか…??」
えっ?
私も森くんと同じく、目が点になった。
「ああ、だから廃止して、今度その話を耳にしたら
許さねぇから」
「え、それは困ります…!ファンの中では大切なものなんですよ!」
「は?本人に許可もとってねぇのに、大切なものって勝手に言ってんじゃねぇよ、迷惑なんだけど」
「…、…」
森くん、黙っちゃった…
だって、怖いもん、恵都兄の話し方とトーンの低さ、
目も怖いし…
「優樹菜、行くぞ」
そう言ってスタスタと歩いて行ってしまった。
森くんには、またね!と言って、恵都兄を追いかける。
「あ、ちょ、ま、待って…!」
グキッ‥
横にバランスが崩れて脚を捻り、
咄嗟に両手をついたけど、擦りむいた。
「っ…!」
痛い…
手にも、かすり傷ができて血が滲んでいた。
少し先にいた恵都兄は、驚いた顔で振り返って、戻ってきた。
「なにしてんだよ…大丈夫か?」
「…っ」
脚が痛くて、声すらでない。
「あーあ…とりあえず立って」
「む、り‥‥」
恵都兄が私の腕を引っ張って、立たせようとしてくれたけど足首に力が入らない。
「慣れねぇ靴履いてきたからだろ…、これ、俺だからいいけど、さっきの奴の時にこうなったらどうしてたわけ?」
「恵都兄に電話する…」
ため息をついた恵都兄だったけど、
抱き抱えてくれた。
胸に顔をうずめた。
恵都兄の香り、すごく落ち着く‥