愛され妹っ。


「あ、一瀬さん!…あれ、え?彼氏さん??年上??」

と、呟き独り言をいう、クラスメイトの森くんだった。


「今、一瀬さんの噂でもちきりなんだけど、本当に梅田先輩が彼氏なの??」


「え?あれは、誤解!ただの友達で先輩なだけ!」


「じゃあ、みんな一瀬さんが好きすぎて、勝手に自分は彼氏って言ってるってこと?すごく迷惑だね。
で、隣にいるのは本当の彼氏さん??」


えっ、、と……


「彼氏だったら、どうすんの?」


恵都兄が、言った。


え、えええええ?

「うーん、でも僕は諦めきれないです、一瀬さんのファンクラブの会員なので!」


「あ?ファンクラブ?そんなのあんの?それ作って、なにしてんの」


「一瀬さんについての情報を集めて、みんなで共有してます!」


「なんだそれ、怖、コイツに許可取ってんの?」


「いやそれは取ってないですよ、非公式ですから!」


「ふーん、それ廃止してくれない?俺の可愛い彼女だから共有とかされたくないし、迷惑だろ本人からしても」


「えっ??彼氏さん、なんですか…??」


えっ?
私も森くんと同じく、目が点になった。


「ああ、だから廃止して、今度その話を耳にしたら
許さねぇから」


「え、それは困ります…!ファンの中では大切なものなんですよ!」


「は?本人に許可もとってねぇのに、大切なものって勝手に言ってんじゃねぇよ、迷惑なんだけど」


「…、…」



森くん、黙っちゃった…
だって、怖いもん、恵都兄の話し方とトーンの低さ、
目も怖いし…


「優樹菜、行くぞ」

そう言ってスタスタと歩いて行ってしまった。
森くんには、またね!と言って、恵都兄を追いかける。


「あ、ちょ、ま、待って…!」


グキッ‥

横にバランスが崩れて脚を捻り、
咄嗟に両手をついたけど、擦りむいた。


「っ…!」

痛い…
手にも、かすり傷ができて血が滲んでいた。


少し先にいた恵都兄は、驚いた顔で振り返って、戻ってきた。


「なにしてんだよ…大丈夫か?」


「…っ」
 
脚が痛くて、声すらでない。


「あーあ…とりあえず立って」


「む、り‥‥」


恵都兄が私の腕を引っ張って、立たせようとしてくれたけど足首に力が入らない。


「慣れねぇ靴履いてきたからだろ…、これ、俺だからいいけど、さっきの奴の時にこうなったらどうしてたわけ?」


「恵都兄に電話する…」


ため息をついた恵都兄だったけど、
抱き抱えてくれた。

胸に顔をうずめた。
恵都兄の香り、すごく落ち着く‥
< 123 / 139 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop