ひだまり
出会い
花野ひなた25歳。高齢者施設で働いている。
4年間付き合った彼氏と別れてから2年。何人かの男の人と付き合ったものの、長くは続かず、だんだん出会いもなくなり、職場とアパートを往復するだけの平凡な日々…

友人たちは結婚ラッシュ。焦りを感じないわけがない。でも、出会いもなく、毎日だらだらと過ごし、干物女状態だった。

そんなある日、以前バイトしていた仲間から一通のメールがきた。
『元気?今度の火曜日に飲み会するんだけど来ない?』
いつもならめんどくさくて何だかんだ理由をつけて断るのだが、たまには行こうかな。
『相変わらずだよ。火曜日はあいてるので行きます。』
いつも予定はないのだけれど、強がってみたりして…かわいくない女と自分で思う。

何来て行こうかなぁ?
他にどんな人が来るのかなぁ?
人見知りをする私は、少し不安だった。

だが、何にも聞かないまま、火曜日がきてしまった。仲間から指定されたところにドキドキしながら行ってみると、バイト仲間がほとんどでホッとしていると、あと1人新人の男の人が来ると言うので、待つことにした。

数分後、彼は現れた。
「おせーよ。」
とバイト仲間が言うと、
「ごめんごめん。遅れた?」
と笑って答えたのは安東孝広29歳だった。
優しそうな人だなぁっていうのが私の第一印象だった。

お互いに人見知りする性格なのに、初めての感じがしなくて、お互いが打ち解けるのに時間はかからなかった。
飲み会もすごく盛り上がり、時間も忘れて騒ぎまくった。

「携帯のアドレス交換しない?」
勇気を出して言ってみると、
「いいよ!赤外線できる?」
「うん。」
無事にアドレスを交換し、飲み会は解散したのは、朝方3時を過ぎていた。

その日のうちに、私は勇気を出してメールを送った。
『今日はありがとうございました(o>ω<o)初めてのような感じがしなくて、何だかしゃべりすぎました。明日も仕事がんばってくださいね。』

『こちらこそありがとう。楽しかったよ。お互いがんばろうね。おやすみ。』

これが2人が交わした、初めてのメールだった。
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