その男、イケメンエリートにつき冷酷そして甘党
健太郎は卵サンドと期間限定発売の厚焼き玉子サンドも買った。
単純な謙人の事だから、期間限定という言葉と厚焼き玉子という特別感に感動する事間違いない。
ミアの件、何が何でも引き受けてもらわなきゃ…
「明智君~、最高だよ、どうしたの?
もしかして、並んで買ってきたとか?」
朝の食事はほとんど職場のブースの中で取る謙人は、自分が買ってきたコンビニのおにぎりを隣に避けて、卵サンドを見入っている。
健太郎は社長室前にあるサロンに誰もいない事を確かめて、謙人をサンドイッチで釣りながらその場所まで連れてきた。
コーヒーを淹れて謙人の前へ置き、謙人のためにサンドイッチをビニールの袋から出して白い皿の上に並べた。
さすがの謙人も、目を細め健太郎を見つめている。
「謙人さん、昨日は本当にありがとうございました。
謙人さんのおかげで、ミウと色々話す事ができました…」
謙人は卵サンドを嬉しそうに頬張りながら、「で?」と聞いてくる。
「で…
で、もう一回、謙人さんの協力が必要になって」
健太郎は謙人に会話を邪魔される前に、一人で喋り出した。