その男、イケメンエリートにつき冷酷そして甘党


健太郎はコーヒーのカップを手に持ったまま、ロビンの座るデスクまで来てくれた。


「マイマイのこのノート…
日本語が難しくて…」


ロビンは分かる単語に付箋紙を貼って、そこに英語で訳を書いている。
すると、健太郎がそのノートとは違うノートを自分のブースから持ってきて、マイマイの書いている日本語の文章を全部英語で書き直してくれた。
それも、あっという間に。


「僕はマイマイと一緒に仕事をした事はないんだけど、すごく可愛くて面白い子だったって話には聞いてるんだ。

だから、このノートを見て、何度も笑いそうになったよ。
ここで働く人達の特徴を彼女なり分析してに書いてるからさ。

それも、ちゃんと訳してあるから、あとでゆっくり読んでみて。
めちゃくちゃウケるよ」


「ケンの事も書いてある?」


健太郎はホッとしたように首を振った。


「僕が入る前の話だから。
でも、よかった。
だって、マイマイの人間観察凄すぎるからさ」


ロビンは健太郎のこの穏やかな性格が大好きだった。
周りの人達をふんわりと幸せにする。
それは今も昔も変わらない。


「トオルさんが来るまでは、そのマイマイのノートを見てて。
トオルさんはここでキャプテン的な位置にいる人で、彼の方から仕事の話があると思うから」




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