その男、イケメンエリートにつき冷酷そして甘党


「ありがとう…」

ロビンは健太郎に笑ってみせる。
頑張らなきゃと心の中でつぶやいて。


それからしばらくすると、続々とイケメン達が出社してきた。
ロビンは、あまりのレベルの高さにため息しか出てこない。
でも、マイマイのノートで予習をしていて本当によかった。
自己紹介されなくても、すぐにこの人は誰かという事が分かる。
もう、マイマイって本当に凄い。
凄すぎて、笑いまで出てきそう。


「ロビン、ここへ来て」


フロアの中に数名の社員が集まったところで、トオルにそう声をかけられた。
ロビンと本名で呼ばれる事が、ロビンにとっては新鮮で心が躍った。


「はい、じゃ、自己紹介をどうぞ」


マイマイが書いてあったトオル像より、ロビンには優しく見えた。
ロビンはトオルの眼差しに柔らかいふんわりとした優しさを感じる。
それが何かは分からないけれど…

そして、ロビンは拙い日本語で一生懸命自己紹介をした。
そんな中でも、健太郎の存在はロビンの心のオアシスだった。
一番離れた場所から心配そうにロビンの事を見つめている健太郎を、ロビンは何度も探してしまう。



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