その男、イケメンエリートにつき冷酷そして甘党
今までの自分自身は、もうここにはいない。
こんなに感情をコントロールできないなんて、僕らしさはどこへ行ってしまったのだろう。
「本当に、余計なお世話だよ」
そう言って、ロビンは笑った。
「私は恋愛には向いてない女なの。
それか本気で恋をするのが怖いだけのか…
とにかく、その心配は全くないから。
今は、与えられた仕事に夢中になりたい。
自分を試す事で、ワクワクしてる。
恋愛は今の私には必要ないし、私も求めていない」
健太郎は静かに微笑んだ。
今は、ロビンの気持ちを尊重してあげたい。
この先はどうなるか分からないけど…
「分かった…
じゃ、その夢中になるための仕事の勉強を始めようか」
ロビンは自分に与えられたタブレットを開き始める。
そんなロビンを、健太郎はジッと見つめた。
「ロビン、ちょっと目を閉じて」
キョトンとしたロビンは、訳も分からずに目を閉じる。
健太郎は何かを取るように、ロビンの頬を優しく撫でた。
そう、さっき、謙人が触ったあの場所を。
「ごめん、何かついてるかと思ったら、ただの影だったみたい」
ロビンはニコッと微笑むと、またタブレットの操作をし始める。
健太郎は、無類の負けず嫌いだという事を再認識してしまう。
ロビンを誰にも触らせたくない。
それが大切なEOCの先輩だとしても。
謙人が触ったあの頬の感触を、ロビンの記憶から消したかった。
今は、僕の指先がロビンの記憶を占めている。