【完】白坂くんの溺愛は危ないことだらけ
「てか、考えることないでしょ!? あの若宮さんだよ?」
「いや、俺は小夏のことが気になって」
「へ……?」
「だってお前、白坂と同じクラスだろ」
「っ、そう……だけど」
なんで白坂くんの名前が出てくるの?
あの夜のことなら涼太には話していない。
何度か相談しようとはしたけど、白坂くんのことをよく知りもしないのに口外するなんて、と良心が働いたからである……。
「なぁ、白坂に俺のこと言われてねーか?」
……えっ、ちょっと待ってよ。
それ、白坂くんも昨日言ってなかったっけ?
ふたりしてお互いのことをどうして私に聞いてくるの!?
「言われてないけど、なんで……?」
「いや……っ、言われてないならいいんだ。でも、白坂には気をつけろよ……?」
なぜか罰が悪そうに涼太が目を伏せる。
「気をつけろって言われても……」
「アイツ……危ない奴と関わりもあるって言われてるだろ。暴走族と、揉めてるとか……それに、繁華街で喧嘩してるって噂も聞いたことあるし」