【完】白坂くんの溺愛は危ないことだらけ

｢まだ返事してねぇんだけどさ……｣


｢ほ、ホント？ てか、誰に！？｣


｢同じクラスの女子……若宮くるみ｣


｢………ごめん、涼太。聞き間違えたかもしれないからもう一回言ってくれる？｣



最近耳掃除を念入りにしてなかったせいで聞き取れなかった。



｢だから！ 若宮くるみだよ！｣

｢……それ、罰ゲームとかではない？｣

｢ち……ちげぇよ！ ｣



嘘だ……あの涼太が？

私と同じ万年脇役キャラだと思ってた涼太が。


人懐っこい顔をしてて良い奴ではあるけれど、間違ってもモテる部類ではない。


全てに置いて普通を貫き続けてきた涼太が、絶世の美少女にいきなり告白されるとか、そんな話ある？


子供の頃からずっと一緒で、小学生の時なんか何をとち狂ったのか、たんぽぽを食べたことがある経歴を持つ男よ……？



｢信じられない……｣

｢俺が一番ビビってる……｣

｢だよね……｣


現に涼太は耳まで真っ赤になってるんだもん。