【完】白坂くんの溺愛は危ないことだらけ
「それに今は、一生懸命パン作りとかしてて。あの鷹村がだよ?」
ふふっと笑った澪ちゃんの瞳が眩しかった。
見ている私まで温かい気持ちに包まれる。
「なんか、それから鷹村っていいなって思った」
「鷹村くんのこと、好きなの……?」
目が合った澪ちゃんの頬は真っ赤っか。
「そうね。いつの間にか恋におちてたんだよね。だから小夏も白坂のことが好きなら、それでいいのよ」
「うん……」
「ただ……柳くんとはこのまま絶交なんてそんな悲しいことしないで、ちゃんと話してみた方がいいと思うよ?」
「そうだよね。涼太と、このままじゃダメだって思ってる」
「柳くんの様子が変だってこと、小夏ならわかるでしょ? 話、聞いてみなよ。待ってるだけじゃ、時間はどんどん過ぎていくよ」
本当、その通りだ。
夏休みが終わるまでの時間は、自分が思っているよりも、きっとあっという間だ。
澪ちゃんに背中を押された私は、大きく頷いた。
「あ。ケンタッキーとカレーパンだ」
「「は!?」」
そこへ、ほっそい腕で身体を隠した若宮さんが混ざってきた。