【完】白坂くんの溺愛は危ないことだらけ
見てしまった……。
胸は私よりあって、お腹の脂肪は私よりも全然少ない………。
「カレーパンって、まさかわたしのことじゃないでしょうね!?」
澪ちゃんが異議あり!と声をあげる。
「園田さんのことだよ? いつもカレーパン食べてるでしょ? ワイルドだよねぇ?」
「……あんパンやフランスパンの時もあるわよ! てか、わたしの名前知ってるじゃない!」
失礼しちゃうわね!と湯船から上がった澪ちゃんは、素っ裸のまま恥もなくドシドシ出口へ向かった。
さすが澪ちゃん、勇ましい……。
「いいなぁケンタッキーは。なんか、楽しそう。片想いのくるみと違って、キラキラしてる」
澪ちゃんを追いかけて湯船を出ようとしたけど、若宮さんの言葉にタイミングを逃した。
「……そ、そうかな」
私のことも相変わらずケンタッキー呼びか。
はぁっ、と溜め息をつく若宮さんは恋に悩む乙女って感じがした。
「あの、少し気になったんだけど、若宮さんは涼太のどこがいいの……?」
この際だから疑問だったこと聞いてみよう。
あの脇役の涼太が、主役級美女のハートを射止めるくらいだもん。