【完】白坂くんの溺愛は危ないことだらけ


白坂くんは極上にカッコいいと私も思う。


というか、憎たらしいくらい綺麗なのだ。


……とくに、焦げ茶色の瞳が。



普段は何を考えているのか読めない涼しげな瞳をしているくせに、不意に見せる笑顔は甘くて、女心をくすぐる。


……オマケに、学力も高い。


先月の体育祭では短距離の選手だったけど、圧巻の走りを見せてブチ切り一位でゴール。


ご両親がアスリートのコーチでもやってんのかと思うくらい速かった。


甘いミルクティー色に染めている髪は痛みを知らないのかってくらいサラサラ艶々だし。


羨ましい。


神様のお気に入りと言ってもいいハイスペックな白坂くんは、顔面偏差値ピラミッドの頂点に君臨している。


以上が白坂くんのスペックだ。


学校内ではわりと真面目な彼。


………学 校 内 で は。



「えーっ、教えてよ! 遊びに行きたいし。凪が希望なら、ご飯も作ったげる」



毎日恒例この光景。

高校に入ってから見ない日なんて一度もない。


「てか、ホントに彼女つくんないの?」


これも何度目の質問だろう。

だけど、白坂くんは絶対、誰の告白も受け入れない。


それに……


───“ 白坂くんは危ないから近寄ったらいけないよ ”


そんな噂が流れている。

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