【完】白坂くんの溺愛は危ないことだらけ
彼女を作らないのかって質問攻めされる白坂くんの顔が微かに歪んだような……。
「好きな子いるから」
今、黒いオーラが見えたのは気のせいかな?
てか、白坂くんって好きな子いたんだ。
……バチッと、また目が合った。
なんて言った日にはクラスの女子に「勘違いって言葉知ってる!?」と言われそうだから言わない。
けど、きっとこうして白坂くんと目が合うのは偶然じゃない。
白坂くんは見張っているのだ。
私があの夜見てしまった出来事を、誰かに話していないか。
───あれは一週間以上も前の夜。
明日は朝から大雨なのよ! と、夜のうちにお母さんにゴミ出しを頼まれた。
ルール違反だ! と抗議したが夕飯を人質に取られ、母の圧に負けた私は渋々家を出た。
ゴミ捨てを終えて引き返す。
その時だった、ガツンッ! と鈍い音が聞こえたのは。
音のする方へ視線を走らせる。
私の家のすぐそばには、いかにも悪そうな男達が数人いて、一台のバイクが停まっていた。