嘘つきな僕ら【完】
封筒には女の子特有の丸みのある字で
『夏樹くんへ』
あたしも、夏樹にラブレターなんて書いたなあと思い出をしみじみ。
渡すことなく捨ててしまった。
ーーこれを渡したらあの二人は確実に付き合うのだろう。
両想いなんだもんな。
あたしは、二人のキューピッド役。
重たい腰を上げて、鞄を肩に下げて夏樹が待ってる校門へ向かう。
***
昇降口前に咲く大きな桜の木の花びらが風に吹かれてひらひらと舞うたんびにあたしの制服に当たって落ちる。
数百メートル先の校門のほうに立つ夏樹をすぐ目で捉えた。
あたしが適当にセットしてあげた髪がゆらゆらと風に揺られて、その姿がまたかっこ良く見える。
この数年でかっこよくなりやがって。
数メートルの距離に縮むと、夏樹はあたしに気づいて「おっせーよ。40分も待ったんだぞ」と愚痴を漏らす。
ねえ、夏樹。
彼女が出来ても 幼馴染 としてあたしと一緒にいてくれる?
彼女が出来ても あのベットで寝っ転がってもいい?
今までどおり、幼馴染でいて。
お願い。