医者嫌いの彼女
お風呂に入り、桐島院長の言葉を思い出す。

ーーー

桐島「瀧君。今度ぜひ、僕の娘と会ってくれないか?
君のような人が我が病院を引き継いでくれると私も安心して身を引けるんだが…」

「…私はそのような器ではありませんよ。」

桐島「またまた、ご謙遜を。お話は聞いてますから。」

「…はぁ。」

桐島「私はねー瀧君のような若い世代が
上に立つ事で医療現場をますます活性化させて…」

この調子で喋ること2時間。

やっと解放されるわけだが、お酒も入り
上機嫌の院長は手に負えず、今度一席設ける
と言って帰っていってしまった。

とにかく亜妃に知られる前に断らないと。
どうやって断ればいいものか…

ー翌日ー
昼休み。食堂でご飯を食べていると常田先生に
声をかけられる。

常田「瀧。桐島院長にやたら気に入られてる
らしいな。」

「…なぜそれを?」

常田「うちの部長に、見合いの場を設けたい
からって仲人を頼んだらしいぞ。」

「見合いですか?しかもこの時代に仲人って…」

常田「部長もノリノリらしいからな…
ま、頑張れよ」

「頑張れって言われても、自分は…」

常田「…形だけでも部長を立てとけ。
今後の出世の為にもな。」

「…は、はい。」

まさか本気で見合いをさせられるとは
思って居なかった…

そこにちょうど通りかかった看護師に
聞かれているとは知らず、知らぬ間に
病棟中に知れ渡ってしまっていた。

そしてこの話が回り回ってとんでもない
方向に話が進んでしまうのだった…
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