エリート検事はウブな彼女に激しい独占愛を滾らせる
それからどうやって移動したのかは記憶が曖昧だが、津雲さんの自宅が地上三十階建てのタワーマンションだったこと。大理石をふんだんに使った、ラグジュアリーホテルのような明るいロビーに圧倒されたこと。
二十六階の彼の部屋からは東京の夜景が一望できるのに、ゆっくり眺める暇もなく、ベッドに沈められたことを覚えている。
ひんやりと冷えたシーツの上で、津雲さんが私に覆いかぶさって。キスをしようと目を閉じかけた彼が、私の眼鏡に気づいて動きを止めた。
「眼鏡、邪魔だな」
低い声でつぶやいた彼に、スッと眼鏡をはずされる。途端に景色がぼんやり霞んで、心許なくなった。
「あの、それがないと私、なにも見えないんですが……!」
「この距離でも?」
津雲さんは言いながら端整な顔をずいっと近づけてきて、私の反応を窺う。
そ、そりゃこんなに近づけば見えますけど、逆に目のやり場が……。
真っ赤になって目を泳がせる挙動不審な私に構わず、津雲さんはチュッと触れるだけのキスを唇に落とし、服の上から私の胸に手を置きながら言った。
「……まあいい。見えない分は、感じろ」