エリート検事はウブな彼女に激しい独占愛を滾らせる
自信なさげに答えると、津雲さんの大きな手が頬に添えられ、瞳を覗かれた。
「それが自分でも?」
自分……? 津雲さんの言葉の意味をはかりかねて、ぼんやり彼を見つめ返す。
津雲さんはそんな私に苦笑をこぼし、コツンと額同士をくっつけて言った。
「なにも言わないと、本当に連れて帰るぞ?」
連れて帰る……彼の家に? それはつまり、そういうこと、だよね。
さすがにお断りしなきゃ、と思う反面、この余裕のない津雲さんを救ってあげたいという思いも、小さく芽を出す。
彼の唯一のコンプレックスは、恋愛ができないこと。私を家に連れ帰って抱くことで、自信を取り戻そうとしているのかもしれない。
だとしたら……仕事の範疇は超えているけれど、パートナーとして彼の力になりたい。
どこか弱っている今の彼を、冷酷なまでに犯罪者と戦う〝鬼畜の津雲〟に戻して、彼には私の理想とする正義の形を、ずっと体現していてほしい。
「あの……私で、お役に立てるなら」
遠慮がちに答えると、津雲さんは口の端をクイッとつり上げて笑い、私の耳元に唇を寄せる。そして耳朶にチュッと口づけをしてから、「期待してる」とささやいた。