先生!好きだからっ!!~どうしたって忘れられない人はいるものです~
のに…

卒業式のあと…突然先生が言った言葉は、わたしを崖から突き落とした。

「彩…別れよう。」

「へ?」

それは先生がわたしを送ってくれて…車から降りようとしたときだった。

わたしは先生の顔を信じられない思いで見た。

「どういう…こと?」

「俺さ。遠距離とか無理だわ。」

「は?それはだって亮平くんが…」

自分が東京の大学行けとか言ったくせに…何言ってるの?

「まあいいじゃん。楽しかったろ?俺と付き合ってる間は。」

そしてタバコに火をつけた。

「俺も楽しかったし…人生のいい思い出にするわ。」

「ちょっ…」

「降りろ…行けよ。大学生活…楽しめよ。」

何も言わせてもらえなかった。

最後に見た先生は…タバコをくわえて…なんとも言えない…笑みを浮かべて手を挙げた…



先生…ひどいよ…

なにそれ…

今更わたしを…

つきはなすの?


こんなに好きだと思ってたのに?
わたしも先生も…

それは全部…ウソだったの?


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