ウブで不器用なお殿様と天然くノ一の物語
「灯里が俺のベッドにいる。
夢みたいだ〜。
ここにずっと留めておきたいなぁ〜。
なぁ、ここに一緒に住もう?
引っ越して来て。」

「えぇ?
なに、突然。」

「突然じゃない。
ここは灯里と住むために買ったんだ。
ここなら、病院も近いし、駅近だから、灯里がすぐに実家にも様子見に行けるだろ?
家具は一緒に選びたかったから、まだ買ってないんだ。」

彬良……

「……初耳だよ。」

「初めて言ったから。」

う、嬉しいけど、なんか忘れてないかな?
一番大事な事……

ん? あ、ちょっと⁇

「……彬良? なんかモゾモゾしてない?」

「……うん。なんか、やっぱ、もう一回…」

なに⁉︎

「む、無理!
私だって初心者なの!」

「えー。ちょっと寝たじゃん。
俺のハジメテあげたんだからさ、
責任とってよ。」

いや、それ、セリフが逆だから!

「灯里、好きだ。愛してる!」

「ちょ、んーーーー!」



♪ピンポーン



え、朝から誰か来た⁇
まだ……7時だよね?

「あ、彬良! 誰か来たんじゃ…」

あれ、彬良の顔がどんどん不機嫌になっていく。

「……嫌な予感しかしない…。」

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