ウブで不器用なお殿様と天然くノ一の物語
当時、俺は中学受験を控え、兄は大学受験を控えていた。
俺の受験日とセンター試験の日程はほぼ同じ。
そして見事に2人とも前日からインフルエンザに倒れ、受験を見送らなければならなかったのだ。
ほぼ同時に発熱したので、どちらがうつしたかなど、馬鹿らしい問題にもならなかった。
予防接種なんて、予想が当たらなければ意味がないって、つくづく思った。

こうして、兄は浪人生に。
俺は公立中学へと進むことになった。

中学の3年間は、正直全く遊びもせず、内申のための体育だけし、ひたすら勉強した。
周りがメガネからコンタクトレンズに変わっていく中、分厚いメガネをかけ、猛勉強。
『ガリ勉廣澤』と言われても気にしない。

そして中学3年の3月。
県内屈指の名門県立高等学校に合格した。

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